双極性障害とピアス
双極性障害とピアス
私は、精神科病院の救急急性期病棟に2回入院した経験があります。また、中学時代の同級生の中に、双極症と診断され、通信制高校に進学した女性がいます。彼女は8個くらいピアスを開けていて、私にも「ピアス開けてあげようか?」と言っていました。
双極症の若い患者は他の精神疾患を持つ患者に比べて、ピアスを何個も開ける割合が高いかもしれない、と思ったのです。ピアスに加えて、髪を奇抜な色に染めたり、タトゥーを彫ることもあります。30~40代以降の双極症患者でそういったケースはあまり見かけませんが、昔はしていたと話す患者もいます。
もちろん、ピアスは若者を中心にあらゆる人が開けます。私のように双極症でもピアスを開けず、髪も染めない人もいます。ピアス→双極症ということではありませんが、双極症→ピアスなら少しあり得るかもしれないと思ったのです。多くの人はピアスを1~2個までしか開けませんが、双極症の患者では10個ほど開けているというケースもよく見かけます。
気分の高まりや落ち込みは、その人の外見によく現れます。精神科病院でも、気分の落ち込みでお風呂に入れず、髪がギトギトの患者をよく見かけます。同様に、気分の高揚についても外見に現れるのです。お姫様のような地雷・量産服を着たり、ネックレスやチェーンを大量につけたりします。ピアスもその1つといえるでしょう。
ピアスを開ける際に、痛みが伴います。ですから、ほとんどの人はそんなにたくさん開けません。しかし、双極症患者は気分の高揚が武器となり、何個でも開けられる、開けたくなるのかもしれません。脳内麻薬とも関係があるのかもしれませんね。
もしかすると、ピアスを大量に開けているかというのは、双極症の診断基準の1つになるかもしれません。このお話は、私個人の体感にすぎません。ですが、私はこのような「違和感」を大切にしたいと思っています。なぜなら、心の観察というのは、そうした小さな気づきから始まるものだからです。
2025年7月25日 18歳